ずっとデスクトップ PC の前に座っている生活なので無線 LAN はあまり考えていませんでしたが、最近 Nexus7 を手に入れたので、これまた数年前に入手していた無線 LAN ルーター WN-G300DGR を置いて使ってみていました。まあ特に支障はありません。
そこへ「DoSPOT」の営業の電話がかかってきました。DoSPOT というのは、客側から見ると、時間・回数制限付きの公衆無線アクセスポイントということになります。また、「フレッツ・スポット」のユーザーなら制限なしに利用できます。設置側としては、「Wi-Fi 使えます」と言えますし、「フレッツ・スポット」提供エリアとしてそのページに掲載されるという宣伝効果? が期待できます。またオーナー側に SSID (一般客には公開しない) があり、既存の無線 LAN ルーターに置き換えることができるかなと思えました。月額500円(税抜)ですが、1年間は無料というのでとりあえず OK しました。
LAN 環境
ところで現在の LAN 環境は、LAN 内部に公開サーバーを置いていたり、ネットワーク接続のプリンターがあったりという、単に外につなげればいいというだけではなくそもそも単純ではない状態です。したがって内部向けの DNS サーバーが存在し、これを参照するようにしないと自分のところの Web を内部から見ることができません。
DoSPOT ルーター
しばらくして、担当者が DoSPOT ルーターを持って「工事」にやってきました。が、設置場所の問題だの既存の無線 LAN ルーターを外したりだのややこしかったので、「設置はこちらでやるから」と言って機械だけ置いていってもらいました。DoSPOT ルーターは NEC 製 の MW-3301-R (PDF) というものでした。
さて自分で設置して設定しようとすると、MW-3301-R が上述の LAN 環境に対応できないことが判明しました。
有線 LAN ポートが足りない
まず MW-3301-R には有線 LAN ポートが2口しかありません。一方、既存の無線 LAN ルーターには3口あって、宅内にはそれを全部塞ぐだけの機器があります。増設ならともかく置き換えることはできません。すると今度は(設置場所に)電源の口が足りません。
DNSの設定ができない
MW-3301-R の設定は、それに接続した PC などのブラウザで Web 画面をとおして行います。と言っても設定を変更できるのは、オーナー向け SSID (デフォルトでは「DoSPOT-OWNER」)についてのみ。それについては DNS の設定もできるので、プライマリに内部向け DNS サーバー、セカンダリにゲートウェイ(プロバイダの DNS を代理している)を設定することで事なきを得ました。
ところが、客側が接続する SSID (「DoSPOT-FREE」や「NTTWEST-SPOT」)に関する設定は一切できないようです。DoSPOT カスタマーセンターに電話して聞いてみたところ、はじめは DNS について「オーナー向け設定と連動しているかも」との回答だったのですが、とてもそのような挙動には見えないので強くそのように言うと、数時間後に「再現テストしてみたところ連動しておらず、それらは一切設定変更できません」との回答がありました。
Point 3 店舗や施設の情報をお客様に見てもらえる
- Wi-Fiを利用する際に店舗ホームページを表示できる
店舗や施設のホームページを紹介
お客様がDoSPOTを利用される際に店舗や施設のホームページを紹介します。
同じことを客側から
Point 3 店舗や施設の情報を確認できる
- 店舗情報、クーポン、ブログなどをチェック。
Wi-Fiを利用する際に店舗ホームページで情報をゲット!
無料ログインの際に、店舗ホームページがある場合は表示されますので、店舗情報やクーポンのチェック、ブログなどが閲覧可能です。
とあるのですが、これがまったく使えないということになります。
そのほか残念なところ
時刻の設定が、再起動のたびに元(1970年1月1日)に戻ってしまうようです。と言ってもログにもこの時刻は使われていません。何なんだろう。
「DoDPOT-FREE」は暗号なし。うーん、そうなんだ……。
結局使わないことに
DoSPOT がまったくダメとは言いません。うちの環境に合わなかったというだけです。有線 LAN のポート数は事前に知ろうと思えば知ることはできました。それを見落としていたのはこちらの落ち度でした。DNS の設定については、実際に試してみるまでわかりませんでした。その手段がまったくないとは思っていませんでした。
既存の無線 LAN ルーターかまたはそれよりちょっとだけましな、マルチ SSID のできる機器で、ひとつの SSID を自分で客用に設定してやればすむ話です。宣伝効果? は、FREESPOT マップ にでも登録すればいいかもしれません。そもそも Wi-Fi 環境うんぬんで客足に影響するような商売でもありませんし。いずれにせよ無料だからまだいいようなものの、月額料金、電気代(これは微々たるものか)を払って、こちらに何の得があるというのでしょう (いや、そういう形態の商売もあるでしょうが)。しばらく放置して、無料期間が終わるまでに解約することにしようと思います。やれやれ。
ゲートウェイのDNS設定に内部向けDNSサーバを追加するんじゃダメなの?
ゲートウェイは外部のDNSの代理をしますので、たとえばプロバイダのDNSサーバーとか8.8.8.8を設定できます。LAN内部からはそのゲートウェイのローカル側IPアドレスでそれらのDNSサーバーを見たような気になれます。でもそのゲートウェイは外部のDNSを代理できるだけで、内部にあるDNSサーバーを代理できません(設定できません)。
はっ! 192.168.x.x という内容のDNSサーバーを外部のどこかにおいてそれを代理させるの? なんか本末転倒感が…。
店舗に昨日設置しました。NTT西日本の光回線「隼」引いています。回線端末機(モデム)はNTT西日本リース機。背面のLANポートが4つあります。バッファローの無線LANルーターWZR-HP-G302HとFONのWiFiルーターFON2601Eが挿してあります。この状態のところへ更に今回のMW3301-Rを追加したのですが、全て正常に機能しています。バッファロールーターには無線でプリンターが1機、有線と無線でPCが各1機繋がっています。MW3301-Rの設置に際しては何も設定する必要は無く、電源を入れれば自動的に利用可能状態になりました。バッファロールーターは業務専用に使い、他のルータ2機が解放用です。
おめでとうございます。そのように全部が「端末」なら問題ないでしょうね。
うちでも、内部の端末からインターネットを利用するぶんには何も困りません。問題は、内部にある「サーバー」、特にDNSサーバーを読めないという点でしたね。よその絵を引き合いに出しますが、「VIEWを使ったスプリットDNSの例」の図5のような状態で、この「PCx」の分岐のところに今回のDoSPOTルーターを置こうとしたものです。そうするとこの図のファイアーウォールのところにあるNTT回線のゲートウェイが代理するDNSを参照するようにすることはできるのですが、それに加えてもうひとつの内部DNSを設定することできません。これができないと、その図のようになっている内部にあるWebサーバーも見えないので、うちでは使いものにならないのです。
客側のインターネットは宅内LANと分離していて、暗号化されたうえで一旦外部へVPN接続しているのではありませんか?だとすれば、客側各IPアドレスはdo spot任せで、宅内公開サーバへも接続できると思うんですよねw。