ようやく WordPress 3.0 日本語版がリリースされました。
日本語版作成チーム内で、今回の 3.0 のリリースリーダーを担当するという話になったのが 3月中旬でした。その頃、オリジナルの WordPress 3.0 の予定は 4月にbeta と RC, 5月1日にリリースとなっていたのですが、実際には大幅に遅れました。
日本語版
日本語版の作成は、まずメッセージカタログを翻訳することです。メッセージとは、WordPress に現れる種々の文字列、たとえば管理画面に現れる個々の項目などです。メッセージカタログは、WordPress 日本語版をインストールしたディレクトリの wp-content/languages/ 以下にある ja.po, ms-ja.po, continents-cities-ja.po それにテーマ twentyten の wp-content/themes/twentyten/languages/ja.po です[1]。
このうち continents-cities-ja.po は、世界の都市名で、前回の版 (2.9.x) から変更がなかったので今回はまったく作業せずにすみました。そのほかのメッセージも多くは前回の版から引き継ぐことができましたが、新規に増えたものも多くありました。
そのほか、メッセージカタログでは対処できない部分が若干あり、それらはオリジナルの構成ファイルの該当部分を直接翻訳して、日本語版パッケージに含めます。
リリース担当
リリース担当の仕事は……何でしょうね? 一言で言えば「スケジュール管理」ということになるでしょうか。正式版の前に beta1, beta2, RC1, RC2, RC3 のリリースがありました。日本語作成チームのメンバーはそれぞれが wp-polyglots ML や開発ブログなどから、オリジナルの動向の情報を得ていますが、リリース担当としては、翻訳の状況を見ながら「いつまで翻訳を受け付け、いつまでにパッケージ化、いつまでにテスト、その後リリースと告知」とチームに提案して、エイヤッと日本語版リリースに持っていきました。特に今回の beta や RC の際には未翻訳のメッセージが多く残っていて、どこかで踏ん切りをつけなければならなかったのです。もちろん正式版では未翻訳は残っていません。
もうひとつは「調整」でしょうか。同じ語が場所によって別の訳語になっているのを統一しなければならなかったり、よりよい訳にするための修正が提案されることがありますが、「どうしましょうか」というところで話が止まってしまうこともよくあります。リリース担当として、これまたエイヤッと「こっちにしましょう」と進めていきました。
GlotPress
これから目にされる WordPress 3.0 日本語版で、「この翻訳は変じゃない?」「あっちとこっちで別の語になってるけど同じがいいのでは?」と思われる箇所がまだ残っているかもしれません。そんなときはぜひ、日本語作成チームにお知らせください。
GlotPressという仕組みで、訳文の修正の提案ができます。ログインに必要なアカウントはフォーラムと共通です。GlotPress はまだ発展途上で、使い勝手はよくないのですが、
- Translation of 3.0 and all 3.0.x
- Multiste strings for WordPress 3.0 and 3.0.x
- the 2010 default theme
のいずれかで、Filter に文字列を入力して対象となるメッセージを検索し、見つかったら右端の Details の押して、修正案を入力してください。
ここでの入力は「案」であり、ただちにメッセージカタログに取り込まれるものではありませんので、気軽にお知らせください。それを日本語作成チームのメンバーが見て、採用するかどうか検討し、今後のリリースに反映します。
3.0 は出ましたが、まだしばらくの間(3.0.x)はリリース担当です。今後ともよろしくお願いします。
- これら人間が読めるテキスト形式の *.po と、実際に WordPress が引用するバイナリ形式の *.mo を合わせて「日本語リソース」と言うこともあります。↑