AT5IONT-I で PC を組む
PC の1台のファンがうるさくてしかたがなくなった。それだけ交換してもいいのだけれど、7年ほども使ってきた Pentium4 の PC で、ほかの箇所にガタがきてもおかしくないので、すっかり新しくすることにした。
この暑い夏、非常にうるさかったので、今回は静穏性を最重視して、CPU が Atom D525 のファンレスのマザーボード AT5IONT-I、ACアダプター電源、2.5インチHDD、光学ドライブはこの際なし(旧機のものを流用したくても ATAPI で、接続できない)とした。
「24pin対応」の電源を注文したのに届いた付属ケーブルが 20pin で[1]、販売店に連絡したら「メーカーが入れ間違えたもの」とのことで、正しいケーブルが届くまで時間がかかったりしたが、ようやく準備は整った。
Debian のインストール
接続できる光学ドライブがなく、しかも手元に USB メモリもなかったので、まずは旧機に新HDDを接続して、Debian lenny ネットワークインストール用 CD で起動してインストール開始。順調に進んで、ネットごしに最低限の Debian ができたところで、HDD を AT5IONT-I に接続する。
ネットワークコントローラチップドライバ
新機を起動すると順調に立ち上がって、いやー簡単簡単……と思ったのも束の間、追加のアプリを apt-get
しようと思ったらネットにつながっていないことに気づく。しばらくケーブルやら設定やら見直してもなかなか解決できない。別の PC で検索して調べているうちに、ようやく原因にたどり着いた。
AT5IONT-I に搭載されているネットワークコントローラチップは RealTek 8112L というものらしい。Debian はドライバモジュール r8169.ko
を読み込むがこれが動いていないようだ。検索して調べてみると、RealTek のサイトから RTL8111/8168B を持ってきて組み込めばいいらしい (参考: Script to Fix R8168 and R8111 in Debian/Ubuntu GNU/Linux)。
再び HDD を旧 PC に接続し、linux-headers-2.6.x
などビルド環境を apt-get
。Realtek のサイトから r8168-8.019.00.tar.bz2
をダウンロード。
rmmod r8169
で誤ったモジュールをはずし、持ってきたものを展開して、
make clean make modules make install
でインストール。インストールした先で
mv r8169.ko r8169.ko.BAK echo "blacklist r8169" >> /etc/modprobe.d/blacklist depmod -a insmod r8168.ko
でモジュールを組み込む。
update-initramfs -u
で initramfs
を更新しておく。
ここまでできたら HDD を AT5IONT-I に戻し、起動してネットに正しく接続できた。
あとはネットごしに apt-get
で必要なものをインストール。AT5IONT-I 搭載の ION2 のために nvidia-glx
などもインストールした。
ATOK X3
上記のドライバの組み込みの作業は、カーネルが変わるたびにやらなければならならず面倒くさいので、この際と思い、その作業の前に lenny から unstable に上げてしまっていた。このときに dpkg
も新しいものになった。
日本語変換は ATOK X3 にすることにした。別の PC (こちらも Debian の unstable)でも既に ATOK X3 を導入していたのだが、数ヶ月前から ATOK X3 に含まれる iiimf-*
が「不正なバージョン番号」との警告が出るようになっていた。新機では、何と同じ警告のためにインストールそのものができない。これまた検索して調べてみると、「_」が含まれているのが原因。
dpkg -x
, dpkg -e
で展開して DEBIAN/control
のバージョン番号を書き換えて dpkg-deb -b
で再パッケージ。付属のインストールのためのスクリプトもそれに合わせて書き換えて、無事インストール完了。
ファン
完全ファンレスにしようかと思ったが、CPU温度が60度くらいになる。それでもいいのかもしれないが、旧機の電源部の大きなファンはそれほどうるさくないので(うるさくなっていたのはCPUファンだった)、これを取り出して、 AT5IONT-I のフィンの上に乗せた。CPU温度は30度程度になった。
- 20pin でも当面は困らないが、注文したものと違うままというのも嫌なので。↑