トイレの明かりが消えない……えっ?

スイッチを OFF にしてもトイレの照明が消えない。ON にすると正常に点灯し、OFF にすると0.5秒間隔ほどで点滅する。以前のことを思い出し、ありゃまたLED電球がおかしくなってしまったか、案外寿命は短いな、買いに行かなけりゃなどと考えながら部屋に戻った。

が、しばらくして、「はて、よく考えるとスイッチが OFF なのだから、電球が壊れたとしてもそもそも点滅するのは変なのでは?」と思い至る。だとすると、スイッチが壊れたのか。もう一度トイレに戻って何度かパチパチしてみても状況は変わらない。うーむ。

この家の配線はほとんどむき出しなので線を追える。スイッチの上方、トイレの扉の上に黒くて丸いジョイントボックス(明工社 ジョイントボックス 小 20A 300V MJ2420こんなやつ)がある。

ふとその蓋をくるくると外してみると……なんとムカデが!! とうぜん感電死していたのだが、絶妙のポジションでブレーカーを落とすことなくスイッチをショートカットしていたのか。

2,3日前は寝床の真上の天井にさかさまに張り付いているムカデを発見したし、その数日前には、向こうの部屋で何やら猫が暴れてるなと思って見に行ったらヘビと戦っているし。これだから田舎の家は……。

DoSPOT 設置をあきらめる

ずっとデスクトップ PC の前に座っている生活なので無線 LAN はあまり考えていませんでしたが、最近 Nexus7 を手に入れたので、これまた数年前に入手していた無線 LAN ルーター WN-G300DGR を置いて使ってみていました。まあ特に支障はありません。

そこへ「DoSPOT」の営業の電話がかかってきました。DoSPOT というのは、客側から見ると、時間・回数制限付きの公衆無線アクセスポイントということになります。また、「フレッツ・スポット」のユーザーなら制限なしに利用できます。設置側としては、「Wi-Fi 使えます」と言えますし、「フレッツ・スポット」提供エリアとしてそのページに掲載されるという宣伝効果? が期待できます。またオーナー側に SSID (一般客には公開しない) があり、既存の無線 LAN ルーターに置き換えることができるかなと思えました。月額500円(税抜)ですが、1年間は無料というのでとりあえず OK しました。

LAN 環境

ところで現在の LAN 環境は、LAN 内部に公開サーバーを置いていたり、ネットワーク接続のプリンターがあったりという、単に外につなげればいいというだけではなくそもそも単純ではない状態です。したがって内部向けの DNS サーバーが存在し、これを参照するようにしないと自分のところの Web を内部から見ることができません。

DoSPOT ルーター

しばらくして、担当者が DoSPOT ルーターを持って「工事」にやってきました。が、設置場所の問題だの既存の無線 LAN ルーターを外したりだのややこしかったので、「設置はこちらでやるから」と言って機械だけ置いていってもらいました。DoSPOT ルーターは NEC 製 の MW-3301-R (PDF) というものでした。

さて自分で設置して設定しようとすると、MW-3301-R が上述の LAN 環境に対応できないことが判明しました。

有線 LAN ポートが足りない

まず MW-3301-R には有線 LAN ポートが2口しかありません。一方、既存の無線 LAN ルーターには3口あって、宅内にはそれを全部塞ぐだけの機器があります。増設ならともかく置き換えることはできません。すると今度は(設置場所に)電源の口が足りません。

DNSの設定ができない

MW-3301-R の設定は、それに接続した PC などのブラウザで Web 画面をとおして行います。と言っても設定を変更できるのは、オーナー向け SSID (デフォルトでは「DoSPOT-OWNER」)についてのみ。それについては DNS の設定もできるので、プライマリに内部向け DNS サーバー、セカンダリにゲートウェイ(プロバイダの DNS を代理している)を設定することで事なきを得ました。

ところが、客側が接続する SSID (「DoSPOT-FREE」や「NTTWEST-SPOT」)に関する設定は一切できないようです。DoSPOT カスタマーセンターに電話して聞いてみたところ、はじめは DNS について「オーナー向け設定と連動しているかも」との回答だったのですが、とてもそのような挙動には見えないので強くそのように言うと、数時間後に「再現テストしてみたところ連動しておらず、それらは一切設定変更できません」との回答がありました。

DoSPOT の売り文句

Point 3 店舗や施設の情報をお客様に見てもらえる

  • Wi-Fiを利用する際に店舗ホームページを表示できる
  • 店舗や施設のホームページを紹介

    お客様がDoSPOTを利用される際に店舗や施設のホームページを紹介します。

    同じことを客側から

    Point 3 店舗や施設の情報を確認できる

    • 店舗情報、クーポン、ブログなどをチェック。
    Wi-Fiを利用する際に店舗ホームページで情報をゲット!

    無料ログインの際に、店舗ホームページがある場合は表示されますので、店舗情報やクーポンのチェック、ブログなどが閲覧可能です。

    とあるのですが、これがまったく使えないということになります。

    そのほか残念なところ

    時刻の設定が、再起動のたびに元(1970年1月1日)に戻ってしまうようです。と言ってもログにもこの時刻は使われていません。何なんだろう。

    「DoDPOT-FREE」は暗号なし。うーん、そうなんだ……。

    結局使わないことに

    DoSPOT がまったくダメとは言いません。うちの環境に合わなかったというだけです。有線 LAN のポート数は事前に知ろうと思えば知ることはできました。それを見落としていたのはこちらの落ち度でした。DNS の設定については、実際に試してみるまでわかりませんでした。その手段がまったくないとは思っていませんでした。

    既存の無線 LAN ルーターかまたはそれよりちょっとだけましな、マルチ SSID のできる機器で、ひとつの SSID を自分で客用に設定してやればすむ話です。宣伝効果? は、FREESPOT マップ にでも登録すればいいかもしれません。そもそも Wi-Fi 環境うんぬんで客足に影響するような商売でもありませんし。いずれにせよ無料だからまだいいようなものの、月額料金、電気代(これは微々たるものか)を払って、こちらに何の得があるというのでしょう (いや、そういう形態の商売もあるでしょうが)。しばらく放置して、無料期間が終わるまでに解約することにしようと思います。やれやれ。

    WordPress 翻訳祭り—今さら注意してもらえない「日本語」について

    今週末、全国各地で WordPress 翻訳祭りが開催されるようです。WordPressの各言語版がどのような仕組みで実現されているか、とか、実際に翻訳作業をするアプリケーションの説明などが、あちこちに見られるようになりました。(【追記】このあと WordCamp Kansai 2014 コントリビューターデイもありますし、今後も参照されるかもしれないので若干手直ししました。)

    でも、もっとも根っこのところにある「日本語」については、日本語の話者ならもう今さら言うことはないという感じで、なかなか誰も注意してくれません。

    ふだん自分が書く日本語と違う点は、これが協調作業だということです。WordPress 本体と、テーマやプラグイン、Codex で、書き手によって文体や表現がバラバラだと、読み手に対していらぬストレスを与えることになります。ここは自分が気持ちよく書くことよりも、自分だけ外れた書き方になっていないか、に注意することが必要です。

    日本語スタイルガイド

    WordPress 本体の翻訳にあたっては、ガイドラインを定めています

    まず基本となる「日本語スタイルガイド」(簡易版の PDF) があって、そこに書かれているルールから外れる WordPress 日本語版独自のルールという形で決めています。翻訳祭りに参加される方は、ぜひ事前に目を通して、もちろん全部覚えておくことは難しいでしょうが、「あれ、どうだったっけ?」と引っかかる程度にはしておくといいでしょう。

    • 日本語の句点は全角の「。」を、読点は全角の「、」を使う。
    • 日本語には全角文字 (2 バイト文字) を使う。
    • 英数字、符号には半角文字 (1 バイト文字) を使う。(例外は句読点、鍵括弧、中黒。これらは全角文字を使う)
    • 数字は、慣習的に使われている場合を除いて、算用数字 (1、2、3) を使う。

    このあたりまでは、特に気をつけなくても大丈夫だと思います。

    以下、気をつけないと自分の癖が出てしまいそうなところを挙げてみます。

    文字間のスペース

    • 半角文字と全角文字の間には、半角文字 1 字分のスペースを入れる。ただし例外は
      • 半角文字の前後が『』 「 」 。、の場合は半角スペースを入れない。
      • 丸括弧 ( ) の外側には、全角文字がきても半角文字がきても半角文字 1 字分のスペースを入れる。
      • 丸括弧 ( ) の内側には、全角文字がきても半角文字がきてもスペースを入れない。
      • コロン : の前には半角スペースを入れない[1]
      • 半角数字の前後には半角スペースを入れない(日時など。例: 2009年5月10日12時30分48秒、1件のコメント、150ピクセル)

    です。これははじめに意識しておかないと、うっかり適当にやってしまいがちです。

    外来語カタカナ末尾の長音表記

    基本的には内閣告示第二号「外来語の表記」に従います。

    ざっくり言うと原則として、英語の語末が -er、-or、-ar のときは長音記号を付け、-y のときは長音記号を付けません。ただし例外も多くあります。

    漢字かな表記

    漢字にするかかな書きするかは

    • 原則として名詞と動詞には漢字を使い、接続詞、連体詞、助動詞、補助動詞、助詞、連語、形式名詞、接頭語、接尾語はかな書きにする。

    です。「日本語スタイルガイド」 (長いほうの PDF) の付録に一覧表があります。「してください」「すでに」「すべて」「だれも」などはかな書きです[2]

    ここまで、WordPress 本体のガイドラインを紹介しました。テーマやプラグインもぜひこれに準拠してほしいと思います。

    Codex もほぼ準拠していると思いますが(どこかにガイドラインが示されていましたっけ?)、外れているものもけっこう見られます。括弧が全角になっていたり、和文-欧文間のスペースがあったりなかったり……。今回のような催しをきっかけにこのあたりのルールも整備されればいいなと思います。

    ところで、「用語」は、WordPress 本体やテーマ・プラグインを参照して、合わせる必要があります。WordPress 本体で見かけた語が Codex では別の訳語になっていた、ではたいへん困ります。手間ではありますが、すでにある訳語を探して、合わせましょう。どうしてもそれらが間違った訳と思える場合には、それぞれの作者・翻訳者、日本語版作成チームに連絡して、連携して全体をよくしていきましょう。

    それでは、Happy translating!

    1. 「日本語スタイルガイド」に明記はされていませんが、例文によるとこうなっています。
    2. 「すべて」「だれ」がかな書きなのは、この日本語スタイルガイドが作られた時点では常用漢字にそれらが含まれていなかったからだと思います。2010年の改定で「全て」の読み「すべて」、「誰」という漢字が含まれたので、今後はこれらは漢字書きでもいいかもしれません。しかしいま勝手にそう判断しても統一がとれませんので、全体の合意が形成されるまで当面はかな書きのままとしましょう。