Share the LOVE 分かちあい

今年6月に開催予定の WordCamp Kansai 2014 のキーワードは「分かちあい」だそうです。

WordCamp Kansai 2014のコピーにそっと入っている「Share the LOVE」の文字。これはWordPressのreadme.htmlにある一節で日本語版作成チームの方が「分かちあい」と訳してくださっています。(Makoさんが提案されたと聞いています)

「分かちあい」。WordCamp Kansai 2014では、この分かちあいをテーマにしています。
灯りをわけあうように知識を経験を、そしてこれからの未来をわかちあう。

WordCamp Kansai 2014 開催します!

ここに名前を挙げてもらって光栄に思うのと同時に、日本語版作成チームの皆さんの同意があってはじめてこうなっているのであって、私としては大いに照れているところです。とは言え、実は自分でも自分の案ということを何度か言ったことがあったのでした。

この際なので、もっとじっくり掘り出してみました。

まず大元の英語版の readme.html を見てみると、changeset 2338 で Share the Love が現れています。2005年2月のことです。これが日本語では、どういう経緯かわからないけれど「WordPress 愛用者の皆さんへ」と訳されていました。

日本語版作成チームのメーリングリストを探してみると、2008年2月24日に、確かに私が「分かち合い」を提案していました[1]このときの変更点の一番下のあたりです。漢字かかな書きかはその後2回ほど変えて、現在の「分かちあい」にしました。

いやあ、どんな変更があってどんな話をしていたかすっかりオープンな状態で、いつでも誰でも見られるんですね。オープンであること、自由であることが「WordPressってすごい」ところです。

もう少しなにか気の利いたことを書けたらいいのでしょうが、WordCamp Kansai 2014 実行委員長の挨拶を読むと「WordPressってすごい」「分かちあい」に書かれていることにまったく同感なので、そちらをぜひ見てみてください。

どこか自慢話のようになってしまったかもしれません。たかが一単語の日本語訳ですから、誰がやってもそう違いはありません。もし私がやらなくても誰かがやってくれたでしょう。でも逆に考えれば、たかがそのくらいを、たいして力のない私がやることができて、こうして WordCamp サイトオープンの挨拶で取り上げてもらえました。ああ自分じゃない誰かにいくらかでも何かを届けることができたんだな、と感じさせてもらえてとても幸せです。次は、これを目にしているあなたの番かもしれませんよ。「自分がやらなくても誰かがやってくれる」からほんの一歩だけでも踏み出してみませんか。

ところで、share は、この界隈では「共有」という訳で広まっています。しかし私はどうもしっくりこないと感じています。ということをどこかに書いたことがあったのでした。「共有」だと「(他人と一緒ではあるけれど)自分も持つ」という意味合いが強いような気がして、それよりむしろ「配る、分け与える、ほかの人にも持たせる」というニュアンスを出せないものかと考えています。最近、Twitter も share に、というニュースも見ました。「共有」なんて訳語にならなきゃいいなと思っています。

  1. なお、ここで署名に出てくる URL はすでに手放しており、現在表示されるのはまったく無関係です。それについては「迂濶にドメイン名を手放すのはよくない」に書きました。