昨年のクリスマスプレゼント「スナップサーキット Snap Circuits Snaptricity」

昨年のクリスマスプレゼントを振り返るシリーズ。スウちゃん (仮名・当時8歳) が受け取ったのは「スナップサーキット Snap Circuits Snaptricity」でした。

日本での情報が多く、たぶん簡単に購入できそうなのは SC-100 か SC-300 です。それらのマニュアルを PDF で見ることができるので、よく見てみました。するとトランジスタや、さらにはブラックボックス化している IC までが部品にあることがわかりました。そもそも電気回路の初歩の初歩も知らない子にはレベルが高すぎるし、ブラックボックスが含まれるのはいただけません。作例の数が 100 や 300 となってはいますが、そういうものを除くとぐっと少なくなってしまいます。

Webページを見てみると、基本モデルセットだけでも実はたくさんあることがわかりました。そのうち Snaptricity (SCBE75) は次のようです。

  • 部品は豆電球、スイッチ、モーター、メーターなどで、入門用にはぴったり。トランジスタ・抵抗・コンデンサなどはないが SC-100 にはない電磁石がある。
  • 日本では入手しにくそうだが、アメリカの Amazon.com で購入すれば、送料を入れてもけっこう安い。
  • マニュアルが充実。SCBE75 のマニュアルは作例ごとに Educational Corner という解説がついていて、これがちょっとした教科書並みにいい。
  • いざとなれば (つまりスウちゃんがぐっとのめり込んできたら) 追加パーツを購入すればいいさ。あるいは Project Labs EP130 というのもいい[1]

抵抗くらいは欲しい気がしますが、このキットでオームの法則の実験例では豆電球やモーターを抵抗として使っています。確かにそれでいいですね。

マニュアルは英語ですがとても丁寧な感じです。でも英語だとスウちゃんはきっと見向きもしないので、父が翻訳版を作ることにしました。図がメインなのでそれはオリジナルを見てもらって、文章のところだけ。作例も75ほどなのでなんとかなるでしょう。PDF のマニュアルが Web ページから見ることができるので、実物が届く前からすこしづつ訳し始めました。

スウちゃんは、まずマニュアルの作例を見ながら組んでみました。プロペラが飛び上がるのが単純に面白いらしく、ゲラゲラ笑いながら何度もやっていました。そのうちマニュアルを離れ、とにかく電池の両端をつなぐ路ができればいいということに気づき、その間に電球やらスイッチやらを入れながら適当に組んでやってみていました。横から口を出してあまり勉強ぽく言ってもつまらなくなるので放っていますが、ときどき思い出したように遊んでいます。

作りはしっかりしていて、スナップもなかなか勝手のいいものです。何度も書きますが、マニュアルの充実ぶりはたいへんすばらしいものです。惜しむらくは日本語でないこと。訳をプリントして渡してみたものの、やはりはじめから自分で読めるものがあるともっと入り込みやすかったでしょう。日本で「電脳サーキット」という名前で売られているものには日本語解説書が付くようです (残念ながら Snaptricity の日本版はないようです)。

もうひとつ残念だったのは、3つの電球の抵抗値 (明るさ) がかなり違うことです。もうちょっと揃っていないと、簡単な「直列つなぎと並列つなぎ」の違いも実感しにくいと思いました。

いまのスウちゃんには特に磁力のところは、マニュアルどおりに組んでやってはみたものの、あまりピンときていない模様です。数年前のプレゼント Zome toolと同じく、もう何年か経ってからでも遊び直してほしいものです。

  1. すごく昔、学研マイキット(検索してみたら「システム7」というセット)というそっくりなもので父は遊んでいました。

昨年のクリスマスプレゼント「マウンテンバイク AMERICAN EAGLE 24インチ」

前年のクリスマスプレゼントを振り返るシリーズ。早いなあ、今年もこの季節か。そしてほかの記事をあまり書いてない……。

まずは思い出話。スウちゃん(仮名)はかなり早いころから自転車に乗っていた。保育園の園庭でみんなが乗る三輪車をみて「ほしい」と言ったのは年少組よりもうひとつ下の組のときだったか。父である私はしばし考えた。三輪車で楽しい期間は短いし、こうして保育園の備品で少しは楽しめるし、いっそパスしてしまおうか……。

そこで調べてみると、三輪車がわりにもなるちょうどいいものがあるではないか。「2to6 いきなり自転車」(リンクは記事執筆時のもの。購入時からモデルチェンジがあったようだ)。思い出してみるとこれを2歳の夏に買った。補助輪を付けて、大人が後ろからバーを押してやればほとんど三輪車とかわらない。本人がペダルでこぐには車体そのものが重すぎたが。それから冬が過ぎ(この地方では冬はひたすら天気が悪いので外遊びはほとんどできない)、そのあいだに3歳になったスウちゃんは、春の陽射しの中、後ろのバーなしでガラガラと乗り回せるようになった。

[peg-image src=”https://lh3.googleusercontent.com/-jlTTkeAh34I/WBMrPOftyhI/AAAAAAAAD3g/ehbAMvnwaH041_ojrfaWu-qOHpCnBsHLwCCo/s144-o/PAP_0000.JPG” href=”https://picasaweb.google.com/101047809611356552039/6346401534562718897?locked=true#6346463840484313618″ caption=”” type=”image” alt=”PAP_0000.JPG” image_size=”1600×1200″ peg_img_align=”right” ]夏ころには力もついてよく転ぶようになってきたし(補助輪があると曲がるときに内側に傾けられずに遠心力で外側に転ぶ)、補助輪外しに挑戦。補助輪と同時にペダルもとってしまい、地面を蹴って進むのだ(ペダルがあるとそのとき足に当たって痛い目にあうので)。これを1か月ほどやっただろうか。とにかく短期間のうちにすーっと5秒以上も両足を付けずに滑走できるようになった。こうなったらもう大丈夫で、ペダルを取り付けると2,3回で乗れるようになった。この練習方法の最大のメリットは、親の腰が痛くならないことだ。実際、親が自転車を支えてというのは1度もやらなかった。それから、車体が変わらないので乗り心地や取り扱いに慣れたままというのも大きい。さらに大事なことは、この時期にブレーキの使い方をしっかり覚えられたこと。自転車というのは「止まる」というのも実はけっこう大変な技術なのだ。「こぐ」より前に「止まる」技術を身につけられるのは非常にメリットが大きかった。「ストライダー」のようなブレーキのない足蹴り専用車にしなくてよかったと思っている。こうしてスウちゃんは3歳の中ごろにはもう自転車に乗れるようになっていた。

そんな小さな自転車をその名のとおり2歳から6歳(をちょっと過ぎて)まで乗り続けてきた。もう力もついて、スピードを出そうとすると、何しろタイヤ径が小さいため足が猛烈に回転して追いつかないくらいになってさすがに苦しくなってきたので、そろそろ買い替えの時期だなあと思っていた。そこで問題は次のサイズをどうしようかということ。スウちゃんは体格が小さくクラスでも前から2番めくらい。普通なら20インチにしておくかというところだが、それだと小学校のあいだにもう1回変えなきゃならないなあ。

ここでも思い切って24インチのものにすることにした。まず、クリスマスのころはほとんど外で乗る機会がなく春まで待たなければならないこと。春になって2年生になっても、スウちゃんの学校では「校区内を自由に乗っていいのは3年生から」というお約束があるので、本格的に路上に出るまでにはまだまだ時間があるということ。それまでには少しは体も大きくなっているんじゃないかという期待を込めて、でもお楽しみは先取りで、ということでスウちゃん(当時7歳、1年生)のこの年のクリスマスプレゼントになったのだった。

[peg-image src=”https://lh3.googleusercontent.com/-OMDObxihq_s/WBLykkVQUJI/AAAAAAAAD20/HkA3gSF98HcDHW5kFvNATE0MMQQ4VU5ewCCo/s144-o/DSC_1446.JPG” href=”https://picasaweb.google.com/101047809611356552039/6346401534562718897?locked=true#6346401534960488594″ caption=”” type=”image” alt=”DSC_1446.JPG” image_size=”3872×2592″ peg_img_align=”right”]「AMERICAN EAGLE 24インチ」にしたのは、カタログ値で最低地上高が低かったこと。適正身長115cmとなっていた。しかし実際に見比べることができたなら、ほかの車種とそう違いはなかったかもしれない。

乗り換えてすぐは、さすがにその大きさにびっくりしていたものの、ほんの1,2日で難なく乗りこなせるようになった。変速機の扱いにもすぐに慣れた。 夏ころには、どこで誰を見たのか、「ケンケン乗り」を教えてくれと言う。今ではとんと見かけなくなったが、そう言えばそういう乗り方もあったなあ。これも1,2日で習得した。

この記事を書いているのはそろそろ1年経つかなという頃だが、もうすっかり乗りこなしている。つい先日、家からまず2kmほど行けばサイクリングロードがあることに気づき、そこに入ってしまえば自動車の心配もないことから延々と10kmほど、往復で20kmほどの行程を完走したのであった(もちろん親が伴走)。子どもの成長は早いなあ。

次に買い換えるのは中学生になるときだろうか。

ここに Amazon のリンクを張ろうとして気づいたのだが、こういう自転車のモデルチェンジというのは早いのだな。同じ自転車がもう見当たらない。下の TOPONE というのが写真を見る限りフレームや籠がスウちゃんのとそっくりで、元は同じだと思われる。

昨年のクリスマスプレゼント「インラインスケート」

また今年もこの時期になったわけですが、昨年のプレゼントを1年間経ってから振り返ってみるシリーズです。

当時6歳のスウちゃん(仮名)の元に届けられたのはインラインスケートでした。秋口に一度アイススケートに連れて行ったらずいぶん楽しかったらしく、何度もせがまれてそのうち2,3回はまた連れて行ったのでした。いっそのことアイスでなくてもいいのでは、とサンタクロース代理人である私は考えました。

当時、まずおもちゃ屋を見てみたのですが、確かに値段の安いおもちゃ風のものはありました。でもちょっとちゃちすぎないか、と思わされる作りでした。いっぽうでネットで調べてみると本格的なものは値段も本格的。そこでそのあいだくらいという感じの「RIP SLIDEジュニアアジャスタブルインラインスケート5点セット イエロー L」にしてみました。これを書いている2015年11月現在、同じものは品切れとなっているようです。

サイズはやや大きかったのですが、靴下を履いてしっかり締めればグラつきはなく大丈夫のようです。滑りはそこそこよかったです。いちばん近くの練習場所は舗装があまり上等ではなく、どちらかというとそちらのほうが問題ですね。いい場所で滑ればかなりいいのだと思います。

アイススケートで少し慣らしていたこともあって、よたよたと歩いては転び立ち上がるというのを数回繰り返した後は、徐々に滑る(というよりは「歩く」か「走る」程度)ことができるようになりました。子どもはすごい。

残念なのは、まわりの友だちも持っていないと楽しく一緒に遊べない、という点ですね。まあちょっと早すぎるかなという年齢でもあるので、同い年の友だちが持っていないのはしかたありません。サイズはアジャスタブルでもう数年は大丈夫なので、そのあいだに仲間が増えるといいな。

昨年のクリスマスプレゼント「ビルダーキット テクノ ツールボックス」

今年もそろそろサンタクロースの代理としてクリスマスプレゼントを考えなければならない時期になりました。昨年のプレゼントを思い出してみますと……。

当時5歳のスウちゃん(仮名)に届いたのは、Quercetti の「ビルダーキット テクノ ツールボックス」。しばらく前から、大人がちょっとした家具を組み立てたり自動車のタイヤを交換したりするときに「スウちゃんも!」とスクリュードライバーやスパナを持ちたがるので、こういうものにしてみました。

難易度はそれほど高くなく、前年(4歳)の Zometool と順番が逆だったかなという感じも少ししましたが、これはこれで非常に楽しんでくれました。

簡単な作成例(完成図のみ)の冊子が付いていて、はじめはそれをまねて作っていました。徐々にオリジナルの車や、収納箱の蓋(たくさん穴が開いていてネジがきってある)に平面状に絵を作ったり。

場所によって適切な長さを選ぶとか、その頭のミゾに合わせて工具を変えるとか、さらにナットを締めるときに反対側のボルトも工具で押さえておかなくてはならないというような、どうかすると大人でもうっかりしそうな技を習得しつつあります。

プラスチック製のボルトとナットで(ほかのパーツや工具もすべて)、車のハンドルなど可動部はすぐに緩んできてしまうのがやや難ですが、逆にこれがきっちり締まるようになっていると、幼児の手ではとれなくなってしまうのかもしれません。

ドミノとさんすう

ドミノ

スウちゃん(仮名、6歳)は保育園から帰るととにかく「遊びたい」。眠っていないあいだはとにかく遊び続けなければ死んでしまうというくらい遊びたい。といって家や近所に子どもはいないから、一人遊びじゃなければ大人が相手をすることになる。いろんなゲームもやってきた。カルタ、すごろく、どうぶつしょうぎ、オセロ……。そして最近の流行はドミノだ。

【DOMINO W6 in The Wooden Box】木箱入プラスチック製ドミノ W6 白黒Premium Set of 55 Double Nine Dominoes with Wood Case, Brown いまうちにあるのは私(=スウちゃんの父)が学生の頃に麻雀牌も売っているようなおもちゃ屋で買ったもの。でもいま日本でちゃんとしたもの[1]はあまり売っていなさそうだ。「木箱入プラスチック製ドミノW6白黒」だと真ん中に鋲がないなあ。Amazon USA のダブル・ナインは鋲あり。日本から買うと送料が本体と同じくらいかかってしまう。

ルールは「ファイブ・アップ」(参考1参考2)。

しばらくは点数関係なしで、札の出し方を学習。ゲームとなれば子どもは簡単に覚える。

続いてプレイ中の得点。どれを出せば得点になるかなんて戦略もないのでとにかく出せるものを出す。たし算ができないので、出したものを大人が計算してやる。「5の倍数だったら、5で割った商が得点」なのだが、意外に早く5の倍数を覚える。「15」→「3点!」、「20」→「4点!」のように[2]

終了時は「相手の手に残った目の合計を5で割った値(うちでは端数切り捨てというローカルルール)」でやっているが、これも合計を大人がやってやれば「その中に5はいくつ入ってる?」と聞けばほぼ得点を出せる。九九で言えば「5の段」が、それも九九とは全然別の形で頭に入っているらしい[3]。ゲームだとこんなことまでできるんだなあ。

まともな勝負には程遠いが、とりあえずなんとかゲームの体をなすことはできる。さて、大人は手札を元に計算しながら出せるので、強い。同じ札でもあっちに出せば得点できるのにこっちに出すと得点できないということも起こる。子どもはだんだん悔しくなってくる。ここで「たしざんができるようにならないとつよくなれないねー」ということになる。

たたみかけるように、ここでダブル・ナインのセットに替えて同じゲームをやると目の数がぐっと増えるので、それまではたし算できなくても目を数えあげて何とか出来ていたものも追いつかなくなり、いよいよ悔しさをつのらせる。

さんすう

1年ほど前、何の拍子だったか忘れたけれど数に興味を示して、そのうち「同じ数を2回」、つまり「2と2は4」「3と3は6」「4と4は8」……を言えるようになっていた。九九で言えば「2の段」に相当する。せっかくそういう興味が出てきたのならちゃんとやってあげようか、などと考えて、道具を揃えてみた。

カラフルマスキューブ テキストには「わかるさんすう 1」。かなり古くまた検定は通しはしないけれど「教科書」としてしっかり練られたものということを知っていたので、これにしてみた。Amazon では手に入りにくいが、ふつうに街の本屋さんで注文したら簡単に入手できた。

わかるさんすう 1」では、「タイル」を使う。手作りでもいいけれど、横着して買うことにした。「タイル」ではなくて「キューブ」。似たような商品もあるが、安さと、それに「接続できる」ということでこれにした。またちょっと別のもので「100だまそろばん」というのもよく評判を聞くが、やはり自由さの点でキューブにした。

2カラーせんせい 紙が潤沢に使えるのであればそれがいいのだろうけれど、きりがないのでうちではもっぱらおえかきボードを活用している。

いまは2色の「2カラーせんせい」なんだな。うちにあるのはおさがりでもらった「スーパーせんせい」で1色のもの。元の持ち主は4歳くらいでもう飽きて遊ばなくなったからと、スウちゃんが1歳か2歳のころにもらったものだが、うちではいまだ現役。でもこういう用途だと、もうすこし画面が大きく、また解像度が高いといいなと思う。

さてさて、今から1年ほど前にこうして「さんすう」をやりかかってみたけれど、スウちゃんははじめのあいだはともかく、ほどなく興味を失ってしまった。こちらも是が非でも早期教育をとも思っていなかったし、ただ、もし数に興味を示すのなら(ほら数学の天才は幼児期からそうだと言うでしょう)その芽を摘まなくても、という程度の考えだったので、めったに日の目を見なくなっていた。つまりスウちゃんは数学に関しては天才ではなかったわけだが。

ふたたび「さんすう」

時は戻ってふたたび現在。ドミノのおかげで、たし算をできるようになりたい、という気がスウちゃんに俄然湧いてきた。こうなると見向きもしなかったテキストとキューブ(ブロック)に取り組み始める。

いまは

  • 5-2進法は強くこだわらないことにする。本人がどちらが楽かまだわからないので。
  • たし算を同時にひき算も教える。「7は5と2だから……」のように、たし算の過程でひき算に相当する部分が出てくるので。
  • ほとんど最初から筆算(縦書き)にする。この先の繰り上がりを見据えて。
  • 適宜ブロックを使う。
  • いまのところ、素過程を網羅的に、とは考えない。これは「水道方式」のいいところを落としているのかもしれないけれど。少し先にひき算(13−7など)をやるときに困るかもしれない。そのへんは行きつ戻りつやればいいか。
  • 文章題も適宜。逆に「たし算の問題を作る」ような作業も多めに。

という感じで進めている。

自由な発想

スウちゃんはすごろくなどのゲームやドミノでサイコロ(の目の形)に親しんでいたからか、「6は3と3」の意識が強い。5-2進法のための「6は5と1」とはなかなかならない。そこで「6+3」を計算する際はブロックを3×2に並べ、そこに3つのブロックを加えて3×3の形にし、「こたえは9」になる。どうやらイメージ先行らしい。

この先の発展のためにはどうかとも思うが、まだカリキュラムに沿った学習をしていない子どもの発想は自由でおもしろい。「8−2」は、まず2×2×2の立方体を作って「8」。なんだそれ。3次元じゃないか。2の3乗だよ。それから2つをとり、変形させて3×2にして「6」。このへんはボール紙で作ったタイルじゃなくて、縦横に接続できるカラフルマスキューブにしていたからこそだったかもしれない。

世の中、算数だけで出来ているわけではないから、小学校に入って型通りの授業が始まるまではこの自由な発想を楽しむことにしよう。

さて、こんな調子でスウちゃんはドミノが上手になれるだろうか。

  1. と言っても、うちのもさすがに象牙製ではない。ドミノ倒し用ではなく樹脂製の適度な重みのもの。
  2. これと同時期に時計の分針を読めるようになり、「ドミノといっしょ!」と叫んでいる。
  3. いまの段階で九九の暗誦なんて絶対にやらせたくない。

昨年のクリスマスのおもちゃ Zometool

たまには子どものおもちゃのことなど。

昨年のクリスマス、4歳のスウちゃん(仮名)の元に届いたプレゼントは Zometool (ゾムツール)。その中の「ゾムツール Creator 1」というキットでした。

家ではダイヤブロック(知人の子からのおさがり)、保育園ではレゴが大好きなスウちゃん。といって同じものを増やすだけでは面白くない、と父である私はサンタクロースの代理人として悩みました。

布団に入ってつらつら考えるうちに、そうだ、組み立ておもちゃでもいま遊んでいるのはボリューム系(中身の詰まったブロックタイプ)だから、逆に骨格系というのはどうだろう、と思いつきました。平面の多角形や立体の正多面体も作れるものがいいぞ、とこのとき頭にあったのは遠い学生時代に見た分子模型です。ノードになる玉を棒でつなぐようなものです。でも小さな子どもでも楽しめるんだろうか、多くの多角形や多面体を作ることができるようにするには、様々な角度に対応できないとならないぞ、するとノードの接続穴はどうなっていればいいだろう、いっそスポンジ玉のように自由に抜き差しできるものなんだろうか、棒もいろんな長さの種類がないといけないな……などと考えながら眠りに落ちました。

[pe2-image src=”http://lh4.ggpht.com/-UQXvI4jgCOw/Uc0l29TTqaI/AAAAAAAACIc/5qYvaSSq7Mg/s144-c-o/DSC_5303_1.JPG” href=”https://picasaweb.google.com/101047809611356552039/20130627#5894409113396554146″ caption=”しゃぼん膜” type=”image” alt=”DSC_5303_1.JPG” ]翌日、あれこれとキーワードを試しながら検索しているうちに見つけたのが Zometool でした。これは私の浅はかな考えをあっさりと超えたすばらしいシステム(ノードは斜方二十・十二面体、棒の長さは黄金比など)でした。これを考えた人はすごいし、これを子どものおもちゃにしているところがさらにすごい。4歳の子どもにはちょっと高度すぎるかなと思いつつも、私のほうがもうすっかり欲しくなってしまいました。

1年前でドル円のレートもまだ有利だったこともあり、アメリカの Amazon で、送料を加えても日本での価格よりずいぶん安く買うことができました。

スウちゃんはたいへん気に入り、付録の作例(PDF)マニュアル(PDF)をまねてさっそくいろいろな形を作りました。そのうち勝手に別の形のものを作っては壊して遊んでいます。夏にはマニュアルにもあるように、石鹸液に浸けて膜を張らせたりして遊びました。

年齢のいかない子どもにとってちょっと難しいのが、いったん挿した棒を抜くことです。このときに棒の挿す部分を折ってしまいがちです。特に赤(断面が5角形)が弱いようです。それが欠点といえば欠点。あとは価格がやや高いこと。

別のおもちゃなどに興味が移って最近でこそ Zometool の出番は減っていますが、数年経って、あるいはそれこそ幾何や分子構造の知識を得る頃にも、また楽しめるのではないかと思っています。