先日、ChatSecure という携帯端末向け XMPP クライアントを試してみたとき、Google Talk (Google トーク)をふつうの XMPP として使えることに気がつきました。
2015年の初めころ、Google Finally Kills Off GoogleTalk and XMPP (Jabber) Integration などの記事を見て、XMPP との互換性を捨てて「Google ハングアウト」に移行する形で Google Talk はなくなったものだとばかり思っていました。そう、No, it’s not the end of XMPP for Google Talk というタイトルの記事を読んでいても、です。
これらの記事を目にした前後からついその時に至るまで、自分がふだん使っているクライアント Gajim で Google Talk のアカウントにログインできなくなっていました。それで「ああ、終わったんだな」と思い込んでしまったのです。
ところが先日 ChatSecure を試した際、その ChatSecure では GMail アカウントを用い、まったく他所の XMPP サーバーのアカウントの間でチャットできたのです。
前の記事を今よく読み返してみると、
Note that you can still continue to use the Google Talk Service with a third party XMPP client and the Google Talk XMPP servers continue to federate with other domains.
とあります。
ではどうして、PCのクライアントからはログインできなかったのでしょう? いろいろ検索して調べてみてわかったことは、Google アカウントの「2段階認証」を有効にしていたためにクライアント Gajim からログインできなかったようです。自分もこの2段階認証に切り替えたのが、ちょうど前の記事が出てそれを読んだ頃だったのかもしれません。
「アプリ パスワードでログイン」というヘルプがその解決法でした。そこにあるとおりにパスワードを生成し、それを Gajim で使うことで無事にログインできました。いったんログインできてしまえば、あとはまったくふつうの XMPP アカウントとして使うことができます。
時系列的にまとめると
- Google は 2005年ころ Google Talk というサービスを始めた。それは XMPP の拡張で、サードパーティの XMPP クライアントでも利用でき、また他の XMPP サーバーとも相互に会話できた。
- Google は 2013年に Google Hangout という、Google Talk 後継のサービスを始めた。この時点で「Google Talk というサービスは終了」と言われているが、Google Hangout の機能のうちの文字によるチャットは Google Talk 互換であり、つまり XMPP として利用できた。
- 2015年2月、Google 自身による Google Talk アプリ(Windows版)は廃止された。(Android版や、FirefoxやChromeの拡張機能の版も存在していたと思うが、たぶん同じ頃に消えたのだろう)
- この2015年2月に「Google Talk は死んだ」と言われた。たとえば You Have No Choice: Google To Shutdown GTalk Feb. 23, Hello Hangouts など。しかしその記事でもじっくり読んでみると、
However, users who are unable to give up GTalk can use third-party Windows apps, such as the open-source Miranda IM, Jitsi, and Psi, to continue using GTalk.
と最後のほうに書いてある。
ということのようです。ただし「安全な接続」については注意が必要です。それこそ前の記事に書いたような、OTR など終端間暗号化(E2EE)を用いるのがいいかもしれません。