Jabber / XMPP とは
Jabber とはインスタントメッセージングサービスのひとつです。XMPP はそのプロトコルです。Web に対する HTTP と同じ対応で、Jabber に対する XMPP ということになります。
インスタントメッセージングサービスというと、「Yahoo!メッセンジャー」とか「Windows Live メッセンジャー」などと同系統のものですが、仕様がオープンなので、多くのサーバーやクライアントのソフトが存在します。好きなクライアントを選んで使うことができますし、また、Web サーバーや Mail サーバーを設置・運用するのと同じように、自分でサーバーを設置して運用することもできます。XMPP どうしならサーバーを越えて通信できます。たとえば、Google トークは XMPP 準拠なので、ほかの XMPP のサーバー、ネットワークと通信できます。
1対1のチャットは、あまり説明の必要はありませんが、ちょうどメール、その返事、その返事……の連続といったものととらえることもできます。
多人数のチャット (Muiti-User Chat (MUC))もあります。ユーザーからの見た目や操作は IRC によく似ています。
クライアントとアカウント
Jabber を始めるのに必要なものは、まず Jabber クライアントです。Web を利用するのにブラウザが、Mail を利用するのにメールソフトが必要なのと同じです。
クライアントの
- Pidgin (Linux, Windows), Adium (MacOS)
- iChat (MacOS)
- Psi (Linux, Windows, MacOS)
- Gajim (Linux, Windows)
もう一つ、欠かせないのがアカウントです。メールを使う際にはメールアドレスが必要なのと同じことです。Jabber のアカウントは Jabber ID、略して JID と呼ばれ、形はメールアドレスにそっくりで、
name@example.com
アットマークの前はユーザー名、後ろはそのユーザーの属するサーバー名です。
自分で XMPP サーバーを設置できれば簡単に (そして自由に) JID を得られるのですが、そうでない場合はどうすればいいのでしょうか? ひとつの方法は公開 XMPP サーバーで JID を作ることができます。日本語では XMPP.JP というところがあります。
しかし、Jabber をいままで知らなかった人でも実は既に JID を持っている可能性があります。
- GMail アカウントを持っている
- WordPress.com アカウントを持っている
のいずれかであれば、既に JID を持っています。
GMail の場合、メールアドレスとまったく同じで、たとえば name
というアカウントを持っていれば、JID は name@gmail.com
です。GMail にはチャット機能が含まれており、これが Google トーク、すなわち XMPP のメッセージングなのです。この Google の JID を別のクライアントで使用することも可能です。
WordPress.com (WordPress.com であって WordPress.org ではありません) の場合、たとえば name
というアカウントを持っていれば、JID は name@im.wordpress.com
になります。WordPress.com のサポートのページ (英語)に解説があり、そのページのリンクには主なクライアントの設定方法もあります。
前置きのような内容だけでも長くなったので、ここで区切って続きは後編で。