WordPress 3.6 日本語版

WordPress 3.6 日本語版がリリースされました。

今回リリースリーダーを担当しました。3月の下旬、そろそろ 3.6 に向けて動き出すよという雰囲気になって以降、beta 版が4回もあるなどリリースまで時間がかかりました。関わった皆さん、ありがとうございました。また、担当は次の 3.7 がリリースされるまで続きます。もうしばらくよろしくお願いします。

実際の翻訳作業は GlotPress という仕組みを使って、多くの皆さんが協力してやってくださるので、リリースリーダーといってもその主な任務はパッケージを作ることです。3.6 正式版の前に beta 版を4回、RC 版を2回、パッケージを作って公開しました。

この手順を、RC2 のときを例にして、ちょっとご紹介しましょう。

と、その前に、日本語版パッケージは何からできているのか、をおさらいしておきます。大元は WordPress 英語版です。それにメッセージの日本語リソースです。それと、その日本語リソースではカバーできない、直接翻訳するしかないファイル(現在のバージョンでは readme.html と wp-config.sample.php くらいです)と WP Multibyte Patch です。この3つを混ぜ合わせて、日本語パッケージは作られています。

はじまりは

と、英語版のリリース情報を知るところからです。だいたい WordPress News を見ていますが、うっかりしていて誰かの tweet やほかの言語の人たちの様子で知ることもあります。

そこでパッケージ作成の作業に入ります。まず翻訳状況を確認します。翻訳作業は GlotPress で行われていて、日本語なら Japanese というところを見ると、未翻訳の数などがわかります。

前日にちらっと見たら未翻訳が残っていて、やらなきゃなあと思いながらも手を付けられずにいたのですが、夜が明けたらあら不思議、その分はもう誰かがやってくれていたのでした。

英語版でメッセージ文が追加されたり変更されたりすると、未翻訳の数が増えます。今回はそう面倒なものでもなかったので、なんとかやり終えました。beta や RC の場合は未翻訳が多少残っていてもその状態でパッケージ作成、公開することもあります。何しろテスターに見てもらうことが目的ですからね。

ここで、元になる英語版ソースのリビジョンをチェックします。

ソースの状況は Trac で公開されているので、そのコミット記録を見て、「RC2」と印が付けられたのはいつか、を調べてこの数字をメモしておきます。

直接翻訳ファイルは、この例の RC2 の前後では変化がなかったので、作業はありませんでした。もし英語版に変更があれば、それに合わせて日本語版のファイルを書き換える作業をします。

で、いよいよパッケージの作成です。wordpress.org のどこか(秘密です)にログインします。そこで「作成」ボタンをクリックすると、英語版ソース(メモしておいたリビジョンを指定します)に、GlotPress から日本語リソースを自動的に取ってきて、さらに直接翻訳ファイルも別のところから自動的に取ってきて、これらを混ぜ合わせて日本語版パッケージを作成してくれます。

この時点のパッケージの URL は一般には公開されません。

日本語作成チームの皆さんには別の方法で通知しているので、何も tweet しなくてもいいのですが。

チームの皆さんがいくつかの点についてチェックし、問題なさそうだという返事を受けて、公開します。秘密のページで「公開」をクリックすると beta や RC の場合は、「ベータ & RC バージョン」の表に載ります。

最後は告知です。「WordPress|日本語」でお知らせします。beta や RC の場合は、英語版の告知に追記してお知らせすることが多いです。

さあ、どうでしたか。あなたも日本語作成チームに参加して、リリースリーダーを担当してみませんか。

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